不動産コラムColumn
IT重説新社会実験がスタート
2019/10/07
国交省 書面電子化も併せて試行
国土交通省は10月1日、「個人を含む売買取引におけるITを活用した重要事項説明書(IT重説)と、「賃貸取引における重要事項説明書等の電磁的交付」(重説書等の書面デジタル交付)の社会実験を開始した。期間はIT重説が1年間、書面デジタル交付が3カ月間。
IT重説の新たな社会実験は、17年10月から本格運用されている賃貸取引でのIT重説や、現在継続中の法人間売買におけるIT重説社会実験に続くもの。今回は実験の範囲を個人を含む売買取引にも広げ、すべての不動産売買を対象とする。社会実験に参加登録した宅建業者は59社。
今回は併せて、新たな試みとして賃貸取引における重説書等(宅地建物取引業法35条および37条書面)のデジタル交付についても社会実験を実施する。参加登録事業者は131社。
いずれの社会実験についても、大手企業から地域の宅建業者、不動産テック主体の新進企画まで幅広い事業者が参加している。同省はこれらの社会実験の終了後、有識者会議を開き結果の検証を行う予定。その先は今回の実験結果次第となるが、同有識者会議の検証と議論を踏まえて次の施策やスケジュールを固め、将来的には法令など具体的な制度改正につなげていきたい考えだ。