不動産コラムColumn

国交省 国土審企画部会が中間骨子案

2019/12/05 

土地所有者の責務を明記 利用と管理を重視、需要喚起策も

国土交通省は11月18日、国土審議会土地政策分科会企画部会(部会長=中井検裕東京工業大学環境・社会理工学院長)を開き、土地基本法の改正に向けた「新たな総合的土地政策」についての中間取りまとめ骨子案を提示した。

 

同骨子案は、同部会が16年に策定した「土地政策の新たな方向性2016」をベースとして、これまでの検討内容を基に加筆修正して作成。今回は全体の主軸として、「土地政策の新たな方向性」「新たな方向性を踏まえた当面の施策展開」の2テーマに相当する部分が公表された。

 

「方向性」については、近年の社会情勢などを踏まえ、所有者不明土地(不明地)や土地の管理不全といった課題への対策に重点が置かれている。「本来的に土地所有権には利用・管理に係る責任が伴う」と明記し、特に利用価値が認められず取引も想定されない土地について、所有者の管理責任を重視。併せて、土地所有者が”責務”を果たさない場合には「土地所有検の制限もあり得る」という姿勢を示した。

 

このほか、市場での利用価値が認められる土地・不動産については、土地の集約・再編や所有・利用・管理の分離等によって需要を喚起する取り組みを提言している。

 

「当面の施策展開」では、まず「ウォーカブル都市」「エリアマネジメント」などによる街づくりと、土地利用の最適化を挙げる。また「少額不動産の流通促進」や「ランドバンクの全国展開」などで、低未利用地の活用も促す。

 

更に管理不全地や不明地への対策の観点から、「土地所有権の放棄」についての具体的な制度設計や、民事基本法制の見直しによる「民民関係での土地の適正な管理の確保」についても追加した。

 

未利用地調査の速報も
今回の会合では同骨子案に加え、同省が9月から10月にかけて行った「管理不全の土地に関する実態調査」の速報集計も報告された。

 

同調査によると、土地を所有しながら日常的に利活用していないケースでは、活用の意思はあるものの「何に活用してよいか分からない」が18.0%、「十分な時間がない」が12.5%、「やり方が分からない」が6.0%。合わせて36.5%が、活用の意向を持ちながらも、実際の行動に結びつけられていないという趣旨の回答だった。

 

更に「日常的に利活用しない土地」の今後の保有・売却意向については、「利用見込みはないが売るつもりもない」が19.0%で、”ただ所有しているだけ”の人が約2割存在。ただしその理由としては、「売却にコストがかかる」「売れても二束三文」といった回答も多く、土地ニーズの改善により流通が期待できる可能性も示唆された。

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