不動産コラムColumn
心理的瑕疵の指針案 賃貸の場合発生から【3年間】 国土交通省
2021/05/24
国土交通省は、不動産取引における心理的瑕疵の取り扱いに関するガイドライン案を作成し、5月20日からパブリックコメントを開始した。
宅地建物取引業者が告げるべき事案と行うべき調査などを示した。不動産取引に際して、当該不動産で過去に生じた人の死に関する心理的な瑕疵について、宅地建物取引業上負うべき責務の解釈について取りまとめたのが同ガイドライン案だ。
実際に告げるべき事案は『他殺、自死、事故死その死因が明らかでない死亡が発生した場合』とした。買主・借主が契約を締結するか否かの判断に重要な影響を及ぼす可能性が高いと考えているためだ。
他方、『自然死または日常生活の中で不慮の死』に関しては、自宅における死因の大多数が老衰や病死による死亡であることから原則、告知の必要がない。ただし、取引対象の不動産で過去に人が死亡し、長期間放置されたこと等に伴って、特殊清掃等が行われたケースでは原則告知が必要となる。
ガイドラインでは賃貸借契約の場合の告知範囲は事故発生からおおむね3年と定めた。また、売買契約の場合の告知範囲は判例や取引事例が不足していることから当面の間は調査を通して判明した範囲で買主に対して告知するとしている。