不動産コラムColumn

【国交省】 空き家所有者情報でガイドライン

2018/06/21 

具体例拡充、官民の連携促進
状況確認手段に登記情報も例示

国土交通省は6月8日、17年3月に公表された「空き家所有者情報の外部提供に関するガイドライン」の内容を拡充し、発表した。情報提供に当たっての法制的整理に加え、所有者特定に活用できる情報の例示を追加。情報共有により、官民の連携による空き家活用の促進を狙う。

同ガイドラインは、市町村が空き家所有者情報を宅建業者などの民間事業者に提供する場合に向け、運用方法や留意点などを示した指針。「空き家等対策の促進に関する特別措置法」(14年成立)により、空き家所有者本人の同意が得られれば、市町村など地方自治体は民間事業者に固定資産税課税情報などの所有者情報を提供できることを解説している。

今回の拡充では、空き家の所在地や所有者を特定するために活用できる情報源として、例示する項目を追加。固定資産税課税情報に加え、「不動産登記情報」「住民票記載情報」「水道閉栓情報」「電気・ガス利用情報」「死亡届」を書き加えている。また空き家の特定のために市町村が活用している情報の例としては、これらのほか「自治会等で独自に調査・把握している空き家情報」「消防等が把握している火災予防上の空き家情報」なども記載した。

更に、市町村における先進的な取り組みとして、新たに厚木市や伊賀市、和歌山市などの事例を追加。参考となるモデルケースを提示して、空き家の流通や利活用につなげる考えだ。

加えて従来と同様に、空き家の所有者情報を外部に提供する場合に関係する法律についても解説している。

空家特措法により課税情報などを市町村内部で利用できるようになったものの、その情報を外部に提供することについては、現場で「個人情報保護条例等に抵触するのではないか」といった懸念から実行は進んでいなかった。

そこで同ガイドラインは、「所有者本人の同意」がある場合には、個人情報保護条例、地方税法、地方公務員法に抵触せずに所有者情報を外部に提供可能であることを法制的に整理。取り組み実施のためのハードルを下げ、空き家所有者情報の利活用による官民連携促進を図る内容となっている。

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