2018年04月13日

18年地価公示 全国住宅地が10年ぶりに上昇

地方圏商業地も26年ぶり上昇
国土交通省はこのほど、18年地価公示を発表した。18年1月1日時点の地価公示は全国平均で0.7%上昇。17年を0.3ポイント上回り、3年連続での上昇となった。

大阪・名古屋に勢い
全国の動向を見ると、住宅地の平均変動率が0.3%(前年は0.0%)となり、08年のリーマンショックによる地価の大幅な下落以来、10年ぶりに上昇へと転じた。
低金利環境の継続によって需要の下支えが続く中、雇用や所得環境の改善もあり、利便性の高い地域を中心に住宅地の地価の回復が進んだものと見られる。

住宅地での上昇率の上位は、1位の「倶知安(くっちゃん)−2」(北海道虻田郡)の33.3%の上昇を筆頭に、近隣であるニセコ地域へのインバウンドリゾート需要の影響などから地価が大きく上昇した倶知安がトップ3を占めている。続いては4位「那覇−19」(沖縄県那覇市)の17.4%上昇をはじめ、沖縄県が国内外からの観光客増加などを背景に4位から9位までを占めた。

また、商業地は1.9%上昇で、前年の上昇幅(1.4%上昇)を0.5ポイント上回り、全用途平均と同様に上昇幅を拡大しながらの3年連続上昇となっている。

大都市の数字を見ると、商業地の上昇傾向は更に強い。
三大都市圏の平均は3.9%上昇(前年比0.6ポイント増)で、5年連続の上昇。東京圏が3.7%上昇、大阪圏が4.7%上昇、名古屋圏が3.3%上昇と、各都市で前年を超える上昇幅となっており、特に大阪圏の伸びが大きい。上昇率の上位は1位こそ住宅地と同じく倶知安の「倶知安5−1」(35.6%上昇)だったものの、そのほかのトップ10は大阪や京都、神戸、名古屋など大阪・名古屋圏の大都市が中心だった。

最高価格地は前年同様に東京・銀座の「中央5−22」で、価格は1崚たり5550万円だったが、価格の伸びは9.9%の上昇にとどまっており、総じて東京よりも大阪などのほうが地価上昇率に勢いがあるといえそうだ。

一方で、三大都市圏の住宅地については平均が0.7%上昇で、東京圏が1.0%上昇、大阪圏が0.1%上昇、名古屋圏が0.8%上昇。こちらもすべて上昇しているものの、商業地と比べて幅は小さく、大阪圏については商業地とは異なりわずかな上昇幅にとどまっている。これについて、同省は「大阪圏全体で見た場合、人口の流出傾向があるため、その影響が住宅地の価格に表れているのでは」としている。

地方へ地価上昇波及
また、地方圏では商業地が0.5%上昇となり、26年ぶりに上昇に転じた。また住宅地は0.1%下落(前年は0.4%下落)と下落幅が縮小。全用途平均では0.0%となり、26年ぶりに横ばいへと転じた。これは統計処理上0.0%として表示しているものの、厳密には約0.04%でわずかながら上昇を示しており、総合的に見て近年続いてきた全国的な地価上昇の波が、地方圏でもより鮮明になってきた様子がうかがえる。

中でも特に上昇傾向の強いエリアが札幌、仙台、広島、福岡の地方四市だ。この四市の全用途平均は4.6%上昇で、住宅地が3.3%上昇、商業地は7.9%上昇となっており、三大都市を大幅に上回る上昇率を見せた。

引き続き商業地がけん引
いずれのエリアでも商業地の地価上昇率が堅調に推移し、全体をけん引している傾向は共通している。その背景には、良好な資金調達環境の追い風のもと、外国人観光客の増加による商業・宿泊施設の需要の高まりのほか、都市中心部における再開発の進展、主要都市でのオフィス空室率の低下などにより、不動産需要の旺盛な市場環境がある。
これらの不動産を取り巻く社会情勢は、基本的には今後も継続していく傾向にあると見られており、特に商業地での地価上昇傾向自体は当面続いていくと考えられそうだ。

「広く穏やかな上昇」
主要エリア以外でも、全国的に地価が上昇傾向であることは確かだ。変動率がプラス(地価上昇)を示した都道府県数は住宅地で16(前年は11)、商業地で21(同18)と増加し、2%以上の下落率を示した県も、住宅地の前年2、商業地の前年4から今回はどちらも0に転じている。

一方で、上昇率については大幅な伸びを見せた都道府県は限られており、大半がプラスマイナス2%の範囲内に収まっている。この結果を受け、同省では今回の地価公示について「全国的に広く穏やかな地価の回復傾向が明らかとなった」と評している。とはいえ、その傾向はやはり主要都市やその近隣の交通利便性の高いエリアほど強く、利便性で不利な地方や地域には地価下落の続くエリアも多い。

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