2018年03月15日

4月、改正宅建業法が本格施行 インスペクション、対策は

4月1日から「宅地建物取引業法の一部を改正する法律」(改正宅建業法)が本格施行され、「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」の改正による運用上の指針に応じたインスペクション(建物状況調査)関連の義務化が始まる。現場での運用がスタートする前に、今回の改正が現場にもたらす影響を確認する。

3つの場面で必要に
同改正の新規措置により、4月以降の既存建物についての不動産取引では、インスペクションが次の3つのタイミングで登場することになる。まずは媒介契約締結時で、物件媒介の依頼を受けた宅建業者が依頼者に対して、内容を認識できるようインスペクションについて説明をした上で「インスペクション業者のあっせんの可否」を伝える。そして依頼者の意向があれば業者をあっせんし、あっせんの有無を契約書に記載する。この場合のインスペクションについては、国の登録を受けた既存住宅状況調査技術者講習を修了した建築士が、既存住宅調査方法基準に基づいて行うよう定められている。

続いて重要事項説明時には、宅建業者がインスペクションの調査結果を買主に報告する。また新耐震基準への適合証明としての確認申請書および添付書類、確認済証、検査済証、耐震基準適合証明書のほか、調査点検に関する報告書類としてインスペクションの調査報告書、既存住宅性能評価書、定期調査報告書について、保存の有無を説明する必要がある。

最後が売買契約締結時で、売主・買主の双方が基礎や外壁などの建物状況を共に確認。契約書には「当事者の双方が確認した事項」として、インスペクションの調査結果を(実施していない場合には「無」として)記載することとなっている。

実施は義務化せず
なお、これらの内容に通り宅建業者にとってインスペクションに関する義務は説明やあっせん、報告、書面への記載などで、インスペクションの実施自体は義務付けられていない。またインスペクションの実施に当たっては、宅建業者がインスペクションの資格を持っている場合でも、自らが取引の媒介を行うときには、依頼者の同意がある場合を除いてはインスペクションを実施することは望ましくないとされている。

加えて媒介契約時と同様、買主に事業者をあっせんする場合には、建物所有者にインスペクションの実施についてあらかじめ承諾を得る必要があることや、宅建業者はインスペクションのあっせんによる報酬を受け取ることはできない点にも注意が必要だ。

国土交通省では、このインスペクション関連の情報発信に力を入れている。例えば「改正宅地建物取引業法の概要」として、説明会などで挙がった事業者からの質問をまとめて公開。内容は随時追加しており、最新版は2月末に更新されたものだ。

具体的な運用に当たっては様々なケースが想定されるため、代表的な実務上の注意点などは事前に把握しておくことが重要となりそうだ。

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